札幌地方裁判所 昭和52年(行ウ)12号 判決 1981年2月25日
原告 道央開発企業株式会社
被告 札幌北税務署長
代理人 辻井治 羽生隆次 ほか三名
主文
原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事 実<省略>
理由
第一<略>
第二被告の主張について
一~五 <略>
六 (加算税賦課決定処分の適法性)
1 昭和四七事業年度
前示認定の事実関係並びに<証拠略>を総合すると、原告札幌支店長であつた三浦求は、前示認定の簿外取引がすべて札幌支店としての取引で、これによる所得がすべて原告に帰属し、同取引を除外することによつて過少申告となることを承知しながら右による収入の全部又は一部を原告に対する業務報告から除外して隠ぺいした上、仮装した業務報告書を原告本社に提出し、原告は右報告書に基づき法人税の申告をしていたものと認めることができ、右認定を左右するに足る証拠は存在しない。
右の事実によれば、原告には国税通則法六八条一項にいう課税標準の計算の基礎となるべき事実を隠ぺい及び仮装した事実が存在するものというべきであるから、更正処分により増加した簿外取引による過少申告所得のうち五〇三万七〇〇〇円に対応する税額一六六万六七〇〇円に百分の三〇の割合を乗じた範囲内で四九万九八〇〇円の重加算税を賦課する旨の決定は適法というべきである。なお、原告代表者本人が右の隠ぺい、仮装に関与せず、それを知らなかつたとしても、そのことは右賦課処分を違法ならしめる事由には該当しないものと解される。
2 <略>
第三結論
以上によれば、被告が昭和五〇年六月二四日付でした更正処分、加算税賦課決定処分(昭和四八事業年度の賦課決定処分については裁決により過少申告加算税として認められた部分)に違法はないものというべきであり、従つて、原告の本訴請求はすべて理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 尾方滋 飯村敏明 奥田正昭)
目録 <略>